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2021年8月20日金曜日

明治維新という過ち [原田伊織氏]【30秒書評】

明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト 


[著者] 原田伊織氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト ひとこと




歴史本においては、何度も紹介している本能寺の変431年目の真実 (文芸社文庫) [ 明智憲三郎 ]に次ぐ衝撃で、幕末なら必読の一冊だと思います。


歴史マニアを自負する以上、例えば最高級の英雄として描かれる坂本龍馬は、司馬遼太郎氏が創り出した完全なる「虚像」であり、ドラマや映画で描かれる歴史の常識の多くが「単なる物語(=嘘)」であることはむしろ常識ではあります

(政治家などがよく坂本龍馬を尊敬しているとか言いますが、尊敬しているらしい人に関する本すら1,2冊も読まないのかと恐ろしくなります)


この幕末に関しても、明治維新で日本を救った英雄として描かれる薩摩や長州が、実際は一切中身のないただの人殺し集団であったことは(本書では革命ですらないISと変わらぬ単なるテロリストと表現)、「本当に」歴史を知ろうとする人の中では周知のことだと思います。


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それでも、です。

歴史本として異例の25万部を突破したベストセラーの本作は、その徹底した研究により、明治維新がどれほど過ちであり、英雄とされてきた(※)残虐非道なテロリストたちがどれほど日本(何より会津)を破壊したかが書かれています

※英雄とされてきたのは「勝者が歴史を作る」ためで、戦国史を書いたのが豊臣秀吉であるように、幕末の歴史を作ったのが薩摩と長州であるため。


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良質で圧巻の歴史本であり、歴史好きにはたまりませんが、一般に教えられてきた歴史から知らない方は読んでもどの部分が衝撃かは分かりにくいと思います。

(特に長州の人のそれとは思えない狂気の殺人や強姦により京都や会津、二本松から人が消えていく事実は本当にしんどくなるだけです)。


先ずは大筋を知ることから始めればよく、別に小難しい研究本は必要なく、このブログで一つ前の記事で紹介した坂本龍馬の漫画など(史実と異なる歴史のIFではありますが。笑)、何でもよいので記憶に残る物語を読んでみてはいかがでしょうか。


一般的に言われていることを知り、そこからフィクションで魅せる小説や漫画、あるいは本作のように一般論を根底からひっくり返す研究本を読み込むなど、「歴史って意外に楽しい」と気付いてもらえれば何よりで


最終的にはその磨かれた歴史観を今の世の中に当てはめ生きることが重要なのかもしれませんが、その社会を変えようと演じる政治家が「ドラマの龍馬かっこよかった」止まりですので、まあ平和な日本への感謝を再確認できれば満点ではないでしょうか。笑


明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト 





※詳細は画像より






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著者:ひさなお

 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

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2021年7月28日水曜日

光秀の定理 [垣根涼介氏]【おすすめ歴史小説】



光秀の定理 


[著者] 垣根涼介氏

[おすすめ度] ★★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★

[ひとこと]


ついに文庫本も出ましたが、私が好きな歴史小説のトップ3に入った心から好きな作品です。


歴史小説の「スタイル」も多々あるのですが、戦いや史実研究を中心にした物語ではなく、光秀の「人間」を描き、架空の人物たちを混ぜ合わせることで「生き方」について深く深く考えさせられます。


哲学であり、文学であり、この作品の特に3人からは人生を学んだような気がします。

こんな新しくて素敵な歴史小説に出会えて感動すらしました。最後は涙も。。


ちなみに作者は、このブログで書き続けてきた私が最も好きな小説家です。


君たちに明日はない [ 垣根涼介 ]ワイルド・ソウル(上巻) [ 垣根涼介 ]と同じです。


好きと言いつつ「なぜ突然歴史小説を…」と不安に思っていましたが、これはもう、参りました。

光秀の定理



※詳細は画像より



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2021年5月31日月曜日

【おすすめ歴史/漫画】天翔の龍馬 [橋本エイジ氏]

現在はYouTubeにおります!


【おすすめ歴史/漫画】天翔の龍馬 


[著者] 橋本エイジ氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

天翔の龍馬おすすめポイント




このブログで何度もラブコールを送ってきた新選組の漫画、ちるらん新撰組鎮魂歌(1) (ゼノンコミックス) [ 橋本エイジ ]


実は『ちるらん』はスピンオフで、最初の作品がこの『天翔の龍馬』です。

(『アカギ』のようにスピンオフの方が有名になったケース)


幕末を舞台に、「龍馬が生きていたら」、「新選組の土方と共に戦ったら」という、歴史ファンにはたまらなすぎる歴史のIFを描いています

※その土方を主人公に新選組を舞台に描いたのがちるらん。史実では龍馬と土方は直接は会っていないと言われている。


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おすすめ漫画「ちるらん」との違い


ちるらんは「戦い」によりフォーカスし、強い男たちがかっこよく生きて散っていく様を描いていますが、この天翔の龍馬は歴史のIFを追求することが世界観の柱です。


龍馬と土方は無論、歴史の大物たちが実に深く熱く丁寧に描かれており、全3巻ですが誰にでも読んでもらいたい世界です


実際の歴史と比べることに加え、この数年前を描くちるらんの登場人物とも比べることで、「こいつがこうなったか!!」というマニアックな楽しみ方をいつか誰かと共有できたら幸いです。笑





※詳細は画像より


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2018年6月24日日曜日

【歴史】 戦国武将の精神分析 [中野信子氏、本郷和人氏]

[著書名] 戦国武将の精神分析
 
[著者] 中野信子氏、本郷和人氏

[おすすめ度] ★★ 

[読みやすさ] ★★★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]

マニアックなのは承知の上で私には大好物の一冊。


昔の歴史本のように物語に物語を重ねた武将与太話ではありません。

私が好きな歴史学者である本郷氏が15人ほどの武将の生涯や特徴を述べ、脳科学者の中野氏が各武将の「なぜ」を分析する構成。

過大評価や白か黒で決め打ちされやすい戦国武将を一人の人間として科学的に紐解くことで、歴史観に新しいインプットが得られると共に実益ある知識も身に着くかと。


伊達政宗はやるやる詐欺の天性のパフォーマーであったり、サイコパスの信長にソシオパスの松永久秀。異常な性欲なり家族殺しという側面から歴史を深堀していく対話はマニアには堪らないはずです。

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注意点は、そのマニア向けということ。

つまり定説なり歴史の全体感がないと「何が面白いのか」が分かりにくいと思います。

オキシトシンなり条件付きの愛情なりと犯罪や事件分析に近い点もあり、これが「最初の歴史本」だと歪み過ぎてしまうのでお勧めはしません。笑 



※詳細は画像より


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2017年11月25日土曜日

【歴史】 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 [磯田道史氏]

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[著書名] 
「司馬遼太郎」で学ぶ日本史
 
[著者] 磯田道史氏

[おすすめ度] ★★ 

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★

[ひとこと]

歴史好きとして購入した本でしたが、誰にでもお勧めできる、ぜひ読んで欲しい一冊になりました。
 
本書は、現在日本一の歴史学者である著者が、日本で最も大衆に影響を与えた歴史作家である司馬遼太郎氏の作品に沿いながら、司馬氏の歴史観を紐解き、「日本の歴史とは何か」を言葉にしてくれています


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司馬氏の膨大な作品の中でも、戦国時代の織田信長、幕末の大村益次郎、明治時代の海軍軍人秋山真之らを中心に、「歴史を動かす人・物とは何か」が鋭く丁寧に突き詰められています。


また、日本国家の失敗であり、司馬氏が最後まで小説では書かなかった「昭和初期」について、なぜ陸軍が生まれてしまい日本は崩壊したのかが考察されています。


斎藤道三と信長の時代から、その日本を崩壊させた「昭和初期」までをひと繋ぎに分析し、何よりそこから司馬氏が見られなかった二十一世紀を生きる我々へのメッセージを代弁する圧巻の一冊です。


大村益次郎て誰?という方から司馬遼太郎ファンまで、歴史の枠を超えて生き方すら考えさせられる至極の一冊だと思います。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書) [ 磯田道史 ]
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※詳細は画像より

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著者:ひさなお

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2017年9月2日土曜日

【古典】  こころ彩る徒然草 兼好さんと、お茶をいっぷく [木村耕一氏]

[著書名] こころ彩る徒然草 兼好さんと、お茶をいっぷく 

[著者] 木村耕一氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★

[ひとこと]


1つ前の記事とは真逆のテイストですが、この本はポジティブサプライズでした。


誰しも「昔学校で聞いた気がする」程度には知れ渡っていて、教科書を読むことができた子供なら「兼好法師」の名前が自動で出てくる徒然草。

書かれたのは700年以上前で、兼好法師こと吉田兼好(最近は本名の「卜部兼好」が教科書に載っているらしい)が10年の月日をかけて書き込み、なんと300年以上経った江戸時代に世に広まった日本三大随筆の一つです。


まあ、ここまでは知識として知っていただけで、正直歴史マニアを自負する私でも中身には大して興味なかった古典です。


しかし、今回縁あってこの本を読んでみて、少し感動すら覚えましたのでご紹介します。


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この本は徒然草を「意訳」し、カラフルで綺麗な絵を挟みながら、大きくやさしい文字でエッセンスを紹介しています

徒然草は今でいうブログに似ているかもしれません。(まあ随筆ですからね)


つまり700年前にも物を思い考え言葉にすることが好きな人がいたわけですが、驚くべきはその本質が今でも一切色あせることなく響くのです


・勝負に勝つ秘訣は「勝とうと思わないこと」

・世間に語り伝えられていることは、世間とはつまらないものなのか、ほぼ皆ウソである

・酒は百薬の長とか言うが、全ての病は酒から起こる気がする


など、現代の新書顔負けの考えが詰まっています。


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何より、この随筆の核は「死」です。


人の一生がどれだけ一瞬で、儚いものか。


どれだけ読んでも聞いても忘れかけてしまう「人生の儚さ」を、何度も何度も語りかけてくれます


700年の時を超えようが、これから先どれだけ月日を積み重ねようが、人生とは本当に一瞬の出来事なのかもしれません。


時の試練を超えて読まれ続ける古典。

その真骨頂が詰まった1冊だと気づかされました。



※詳細は画像より



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著者:ひさなお

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2016年9月11日日曜日

【小説】 村上海賊の娘 [和田竜氏]

[著書名]  村上海賊の娘 

[著者] 和田竜氏

[おすすめ度] ★★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★

[ひとこと]


少し早いですが、私の「2016年度No1小説」に決まりました。

今や最も影響力がある文学賞の1つに成り上がった「本屋大賞」を受賞(2014年)した、長編歴史小説の文庫版です。


私は和田竜さんの作品は全作読んでおります。何年もかけて研究や準備をされるため多産作家ではなく、作品数は限られていますが。


本作を読まない「歴史好き」は存在しないはずですので、歴史に興味ない方にもお勧めポイント


・最大の魅力は敵方含めて好きになれるキャラクターと戦闘シーン

・序盤から歴史関係なく夢中にさせる物語

・歴史を知れば「このように解釈し描くのか」と10倍楽しる舞台チョイス

・戦国時代における勢力図や本戦いの位置づけ等分かりやすい説明


最後に、和田さんの歴史小説の新しさは「大迫力の戦闘を描く」点だと思います。

いわゆる「映像世代」に難癖つける昔の人もいますが、例えば司馬遼太郎氏の作品は文学であり、これからの時代には合わなくなっていくと思います。

文学に浸りたい時には堪らないですけどね。


歴史小説も進化し続けるのは不思議で面白いですよね。


昔一発当てたらしいお偉い審査員の独断(と諸々の銭勘定)で決まる文学賞と異なり、本屋大賞は書店員の投票、つまり本を読む我々と同じ普通の人が決めています

その点からも、間違いのない良作です。



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村上海賊の娘(第1巻) [ 和田竜 ]
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2016年7月30日土曜日

【歴史】 本能寺の変431年目の真実 [明智憲三郎氏]

[著書名] 本能寺の変431年目の真実

[著者] 明智憲三郎氏

[おすすめ度] ★★★★☆

[読みやすさ] ★★★☆☆

[知識習得] ★★★★★

[ひとこと]


【問題】

我々が正解としてきた「本能寺の変」は誰が作ったのでしょうか?



【答え】

豊臣秀吉



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一瞬だけ超基礎知識のおさらいです。


本能寺の変とは、天下統一目前の天才兼魔王「織田信長」が、家臣の「明智光秀」のまさかまさかの謀反によって殺される、歴史上最大事件の1つです。


同じく信長の家臣で、その裏切り者明智光秀をあっさり殺し「敵討ち」した後、天下をいただいたのが「豊臣秀吉」ですよね。


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我々が正解として数え切れないほど見たり読んだり、教えられてきた明智光秀について。

実は、その人物像や出来事まで、豊臣秀吉が創り上げていたところから本書は始まります。


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じゃあさ、結局犯人は豊臣秀吉ってオチ?と思うかもしれませんが、その「犯人は誰か」なんてどうでもよいほどの「歴史調査」が本書には描かれています



[私の書評 (目安2分)]


一生使える「必読の1冊」 [教養の底上げ編]




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著者:ひさなお

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