[著者] 三宅香帆氏
[おすすめ度] ★★★★☆
[読みやすさ] ★★☆☆☆
[知識習得] ★★★★★
[ひとこと]
この本では50の名著が紹介されているのですが、先ずは(何より)その紹介主である著者について。
サブタイトルが「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う名著を選んでみた。」とあるように、著者はなんと大学院生です。
私自身、読むを超えて小説を書いたら賞を獲り(しかも二回)、すっかり歳を取りデータベースだプロマネだと全く異なる領域で世界を飛び回るリーマンで食っていますが、それでもひたすら本を買い書評ブログは書き続けています。
その私の嗅覚で、「この著者はこっち側の人間だわ、…と言うか、尖がり方の次元が違うかも」と。笑
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本の構成は、文学に心から人生まで浸っていると思われる(個人的には賞賛)著者が、国内外50の名著を彼女の言葉で紹介します。
私自身も思うところある著者や作品がいくつも出てきますが、彼女の深く、鋭く、丁寧な「切り取り方」に好感が持てます。
論調に若さと愛が溢れすぎて、読む人は若干選ぶかもしれませんが。
本の選択センスは当然間違いなく、何より彼女自身の言葉で描く紹介文自体も、小さな文学になっている気がします。
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最後に、この本をお勧めしたいのは学生です。言い換えると、20代後半から初めて文学に出会っても少し遅い気がします。
良い悪いの問題ではなく、時間と体力が有り余り、未来がまだまだ真っ白で、合理性やロジックに邪魔されず感性が潤っている時期でないと、ここに挙げられた文学の多くは重過ぎるかもしれません。
妻子あり社会における幾多の役割を持ったおじさんに、突如「人に生まれた意味を再定義する」とか旅に出られても困る。笑
昔は貪った作品に「もういいかな…」と胃もたれを感じた自分に寂しくもありますが、それだけ「詰まった」一冊ですのでお勧めいたします。
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著者:ひさなお
TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。
第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。
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